読む前に、あらすじを知ってしまうのはつまらないので、読んだことのない絵本の感想は、なるべく見ないようにしています。
そんな私でも、あらすじこそ知らないけれど、評価が高く読んでみたいとずっと思っていたのが、この『からすたろう』でした。
最近は、家族そろっての絵本タイムもなかなか取れませんが、この絵本だけは、5人全員で・・・と思い、休日の夜に読みました。
長男はともかく、地味でかわいいや綺麗とは正反対の印象を受ける表紙の絵を見て、娘たちの反応は「え?!これ読むの?!」という感じでしたが、読み始めてすぐに、5人の心がす〜っと、絵本に入っていくのを感じました。
1年生から5年生までの5年間、クラスメイトや、年上や年下の子どもにも、先生にも相手にされず、「うすのろ」「とんま」と虐げられてきたちびという男の子。でも、雨や嵐の日でも、とぼとぼと学校へ通い続けます。
6年生で新しく担任になったいそべ先生が、そんなちびを理解し、ちびにしかできない特別な才能を、みんなの前で発表させてくれます。
特別支援教育に携わっている夫にも、たぶん、かなりショッキングな絵本でなかったかと思います。(本人の感想は聞いてませんが・・・)
でも、これこそが、本来の教育であり、どの先生もこういう目で、子どもたちひとりひとりを見てくれたら・・・と願ってやみません。
子どもたちにも、たぶん、かなり強烈な印象を残したと思います。見た目や、やることが、人と違うからといって、差別したり無視したりしてはいけないんだ!
相手がどんな気持ちになるかを、想像できる大人になってほしいと思います。
卒業シーズンに、おすすめの絵本です。