娘は、2歳の頃から、毎朝公園に行くたび、りんごの木に友達といっしょに登るのを楽しみにしていました。ちょうど、かおるの木の、枝が3本に分かれている場所のように(小屋を建てることはできませんが!)安定感があり、小さな子どもが3人くらいで腰掛けられるスペースがあり、秋になると、枝から青りんごをもぎとって、さくっといい音を立てながら食べていました。あの木の上に座っているときの娘の幸せそうな顔といったら・・・。この絵本を読みながら、娘が小さい頃にそんな特別な木と出会えたことをとても嬉しく思いました。
子どもの空想の世界をのびのびと描いた素晴らしい作品ですが、夢を夢で終わらせず、実際に木を植えて、夢を育てるお父さんもまた、本当に素敵だと思いました。私は、と言うと、かおるのお母さんのように、「ごめんね、ちょっと今忙しくて」と、その場でゆっくり娘の話を聞いてあげられないことのほうが多く、もっと娘の夢を大切に育んであげる心をもたなければ、と思いました。
娘は、かおるの木にやってくる鳥たちを見ながら、「これが、かけすかなあ?2羽だけ、羽の色が青いよ。やまがらは、何羽いるか、数えてみる! 1,2,3,4・・・」と、1羽1羽確かめたり、かおるの小屋に舞い込んできた落ち葉を見て、「わあ、この黄色いのが、イチョウの葉っぱ!」と、嬉しそうにしていました。うちの裏庭にも、大きな松の木があり、りすやたぬきの遊び場になっていますが、「かおるみたいに登ってみたい?」と娘に聞いてみると、「ううん。りすを捕まえたいだけ!」との答えが返ってきました。