アインシュタインに次ぐ最も優れた宇宙物理学者と言われる
スティーヴン・ホーキング博士(英国)。
難病のため、人工音声機を使い、車椅子の状態でもなお、
研究を続ける姿が印象的でしたが、
まさかその博士の著作を、理系でない私が理解できるとは!
子ども向けに書き下ろしたということで手に取りましたが、正直、その分厚さと、宇宙物理学の世界に躊躇しました。
でも、読んで正解でした。
これは、良質のファンタジー小説とも言えます。
本当に、一気に引き込むストーリー展開です。
しかも、読み終えたら、宇宙についての知識が一通り網羅されていることに気付くのです。
ジョージ少年がペットのブタ、フレディと迷い込んだ不思議な隣家。
そこで出会った少女アニーと父のエリック、そして、スーパーコンピュータ、コスモス。
様々な事件に巻き込まれながら、ジョージは宇宙を体感することができたのです。
登場人物といい、物語展開といい、緻密に計算された壮大な本です。
最新の宇宙の知識も盛り込まれていて、臨場感があります。
そしてやはり、ブラックホールから助かるきっかけとなる
ホーキングの放射理論。
宇宙物理学って、数式と計算の無機質な世界だと思い込んでいましたが、
案外想像力が大切だということを体感しました。
ハリー・ポッターあたりに夢中の子ども達なら、十分ついていけると思います。
うちの市の図書館では児童書ではなく、一般書に分類に分類されてしまいましたが。
ともあれ、ハリー・ポッターを読むような感じで、読み物としてもおすすめします。