わにというと、一見凶暴な雰囲気がありますが、この本に出てくるわにさんは、私たち人間と同じように、冷蔵庫から材料を取り出し、料理し、それを食べる、人間のようなわにさんです(笑)。
版画と思われる絵と文字がとても温かく、わにさんの心のおだやかさを表しているようです。また、わにさんのはう音や食べるときの音、肉が焼けるときの音などたくさんの音が表現されているので、小さい子たちのことばの感覚を刺激します。
わにさんが料理を食べるところだけは、かなり迫力あります。作者が本物のわにをじっくり観察して描いたんだろうなあと、感心してしまいました。