探検物やサバイバル物が好きな6歳の息子に読みました。
年齢としてはぎりぎりでしょうか。
文章量や内容としては、6歳以上がオススメです。
明治時代、日本人で初めて南極探検をした白瀬矗と隊員たちのお話です。
版画の挿絵がとても優しい雰囲気で、
物語を読むように読み進められました。
イギリスのスコット隊やノルウェーのアムンセン隊とほぼ同時期に、
南極を目指した日本人がいたことを、
この本で初めて知りました。
白瀬の南極探検は苦難の連続でした。
まず、陸軍出身の白瀬は、海軍の協力が得られず、
船を手に入れることができません。
小さな漁船に、
大量の食糧とカラフト犬29頭を乗せてかろうじて出発。
赤道では食料が腐り、次々と犬が死にます。
出発が遅れたことで、南極に到着したときには冬となり、
再出発を余儀なくされます。
でも、白瀬隊長を始め、隊員たちはめげません。
彼らには、南極探検隊としての誇りがありました。
悪天候の中、数々の遭難の危機に遭遇し、
南極点を目前にして諦めざるを得ませんでしたが、
南極点に到着しながらも全滅してしまうスコット隊を思うと、
引き返すのもまた勇気なのだと思います。
南極点を目指す過程は、読んでいる方も力が入ってしまうほどの
迫力です。
基地にたどり着いたときには、すぐにでも出航しないといけない状況。
最終的に犬が置き去りにされるシーンは辛いものがありました。
また、白瀬が生涯に渡って、探検に費やした借金を返し続けるラストも感慨深いものがありました。
大人が読んでも読み応えのある絵本です。
数々の苦難を乗り越え、南極探検に情熱を傾けた日本人の実話。
子どもたちにぜひとも知っておいてもらいたい。
伝えていきたいお話です。