外国の絵本は、ほんとうに訳次第だなと改めて感じさせてくれる絵本でした。シックな濃い色一色で描かれた絵(サリーの服のかわいさ、靴のデザインの凝ったところなんかも素敵!)に、今時の軽い日本語が当てられていたらきっと、この絵本の持つ世界観は損なわれていただろうと思います。
ブリキのばけつにこけもも(こけもも、だなんてなんていい響きの日本語でしょう)を入れる音「ポリン!ポロン!ポルン!」というのを聞くと、無意識にも大きさや重さのふぞろいな小さな実を摘んだんだな...というイメージがわきますし、おかあさんのばけつにいれても音はしなかった=底に当たらないくらいたくさん入っている、ということも「そうなのかー」と子供にも理解できるし想像できると思います。
サリーがおかあさんのばけつに自分の摘んだ実を入れ、もう一度返してもらおうと思って手を入れたら思わずほかのまで掴んでしまった...というくだりでは、『そうか!子供は子供でいろいろ考えてるんだ!勝手な思い込みをいつもしてるのかもしれない』という一見あたりまえのこと(でも、母親が忘れがちなこと)を鮮やかに教えてくれます。
3才の子供にとってはすこしむずかしいというか、お話が長いようであまり熱心に聞いてくれなかったのですが、もうすこし大きくなったらまた必ず読んで聞かせたいです。