この話、のんびり屋で、おっとりのカバが主人公のお話です。
カバ君が、いろんな職業に挑戦するんです。
まずは、消防士。「ぼく、しょうぼうしになれるやろか。」でも、はしごを登った瞬間に、はしごの階段がぜんぶ壊れて落ちてしまい「なれへんかったわ」
「ふなのりは、どうやろか。」でも、船が壊れてしまって「どうもこうもあらへん」
「パイロットやったら」・・・けど、乗った瞬間に飛行機が壊れてしまって「とおもたけどなぁ。」
何をやってもうまくいかない。カバ君、体重が重すぎて、何をやっても、ものを壊してしまうんですね。
結果、「どないしたらええのんやろ。」途方にくれたカバ君の出した結論は、「そや。ええことおもいつくまでここらでちょっとひとやすみ。ま、ぼちぼちいこかということや。」
そう、この本、最初から最後まで、大阪弁なんです。
これを訳した「いまえよしとも」さんの翻訳すごいなぁと思う、ほんと絶妙です。
そして、「ま、ぼちぼちいこか。」実にいい言葉だなぁと思う。
毎日毎日、何をそんなに急いでいるのか、あせっているのか、イライラすること、たくさんありますよね。
でも、ま、ぼちぼちいこか。このカバ君を見ていると、なんとなく、ま、いいか、って気持ちになる。ちょっとほっとする1冊です。