『ふたごのでんしゃ』の続編です。
『ふたごのでんしゃ』で市電のうしわかとべんけいは図書館になりました。
その後、べいけいとうしわかにならって、各地で次々と電車図書館、図書館バスなどの動きへと続いて行きます。
ここに出てくる大人たちは図書館や子どもたちにも理解があり、図書館活動はどんどんと推進していくのです。
あとがきを読むと、渡辺茂男さんの思いがとても伝わってきますし、「にほんは、いいくにです。むかしからこどもたちのことを、こだからといって、とてもだいしにするくになんですよ」という総理大臣の言葉があります。
このような総理大臣がいる国、そして図書館活動にも理解のある政治家がいる国、それは現在でもやはり夢の国でユートピアといえるのではないでしょうか。
効率や財政の問題で、委託管理に回され、マニュアル通りの動きしかない箱ものの図書館が増えた気がしています。
一方でコミニュケーションの大切さが問われていても、財政の逼迫を理由に、窓口対応はマニュアルどおりで、利用者と口を聞くことも許されない図書館もあるそうです。
政治も人なら、図書館も人だと思うのです。こんな図書館を作りたい、子どもたちに本を届けたいという意識のない図書館は図書館とは言えないと思うのです。
文化はお金がかかるし人が育つのにも長い年月がかかるものです。
子どもを大切にしない国に未来はない、この本を読んで今の日本のことを思うと、そんなことを思いました。