この手の話は伝承だからか、同様な話がいろいろにあるようです。
押しかけ女房というのがこのように一途な男思いであったらなら、ぐうたら男にとってはこの上ない授かりものなのですが、この手の絵本の一番のポイントは嫁様の姿。
以前に梅田俊作さん描くあねさまにほれ込んでしまった私ですが、この絵本のよめさまには気品を感じました。
石倉欣二さんの描く女性もまた素晴らしいのです。
しょうざさんにはもったいないぞ。
それにしても不思議なのはももくり三年かき八年。
よめさまが渡したのが柿の種でなくて良かったとは思うものの、三年間泣き暮らした(?)しょうざと、だんまりを通したよめさま。
笑い話だからどうでもいいけど、三年は長い。
私がしょうざだったら二十日大根の種くらいにして欲しいのです。
いろいろなバージョンを楽しんでいると、設定が気になってしまいました。
お人よしの殿様もとんだ災難。
力づくで嫁様を取り上げたのはよくないけれど、悪党とは思えない。
三年間はながい。
お話はめでたしめでたし(?)で終わったのですが、私は城をのっとった夫婦の行く末を案じるとともに、哀れな殿様の幸せを願うのでした。