今の季節にぴったりだと思い、図書館で借りてきました。
この作品は、銀杏の実が幼児くらいの設定で擬人化されており、その子供(実)たちの旅立ち(木から落ちる)までの心の揺れ動きを描いた作品です。及川賢治さんの絵がまた可愛らしく、いちょうの実たちの会話にぴったり合っていると思いました。
親の立場からみると、いちょうの実がどの子も愛おしく感じられ、一言も言葉を発しない銀杏の木(お母さん)の心情を想像してしまって少々切なくなるのですが、実たちの会話をみると、女に子はおしゃまさんだったり、男の子はちょっとお兄ちゃんぶったり、ととても可愛らしいです。
宮沢賢治さんの作品はまだ4歳児には難しいかな?と思いつつ、この絵本はわりと分かりやすい表現が多かったので、子供に見せてみました。
「いちょうさんのお話だよ。読んでみる?」と誘ったところ、表紙をしばらくジッと見ていたかと思うと、ふっとその場を離れてしまいました。
表紙、中身とも色は着いてはいるけれど、子供の目には「黒」が印象的に映ってしまったのでしょうか…。
また時期をみて、読み聞かせてみたいと思います。