エヴェンキはロシア中部にある、寒さ厳しい自治区。
森に住む3匹のいたずらしろうさぎと、
ひとり暮らしのカンジカおばあさんとの
こころあたたまる言いつたえ話です。
このおばあさん、どうも魔法使いらしい。
薪を命令ひとつで歩かせたり、バケツに命じて水汲みさせたり。
火も、掛け声ひとつでおこします。
どこかの国のネズミさんが、アニメーションで同じことしてましたっけ。
魔法使いは実在するのか定かではありませんが
おばあさんなら歴として、母性を表すものなのでしょう、
しろうさぎへかけることばに、優しさが満ちていましたから。
きっとエヴェンキ村全体の、母親のようなひとなのかもしれませんね。
悪行のやまんばなどは、負の母性を顕すのだとか、
偉い大学の教授はおっしゃっていました。
小野かおる画伯の絵から、大自然の厳しさが伝わってきます。
やんちゃに生きる仲良し3匹しろうさぎは愛嬌たっぷり。
ヒヤヒヤさせますがいのちの伸びやかさ、いとおしさを運んできます。
民話は、語り継がれて欲しいと願うばかり。
再版されていないのは残念ですが
福音館さんに、感謝。