森の大きな2本の木に住むリス一家と、一家を温かく見守るがんこ者のふくろうじいさんの、せつない愛の物語です。
大変! 母さんリスがいなくなった…。子リスのために美味しい桃を採りに出かけた母さんリスが、車に轢かれて死んでしまいます。
残された子リス達に母さんリスの死を告げ、命がけで採った桃の種を植えるようにと告げます。
子リス達を励まし見守るふくろうじいさんには心が温まります。
やがて子リス達が成長し親となり、母さんリスの桃も花を咲かせ実をつけるようになります。森の仲間が、母さんリスのように危険な思いをしなくてすむようにという、ふくろうじいさんの願いが叶ったのです。
ふくろうじいさんの命は消えましたが、その思いは森に息づいたのです。
優しいタッチの絵も素晴らしく、長く読み継いでいきたい作品です。