水位がどんどん上がるまちに住むおじいさん。
家が水に浸かると、つみきのようにどんどん上に新しい家を作っていきます。
以前、海面上昇の危機にある南の島をテレビで見たのを思い出しました。
その島はいつか海に沈んでしまうと言われています。
そんな中、移住を勧められても、自分が生きてきたこの場所から離れるつもりはないと言い切っていた老人。
この絵本のおじいさんと重なって、考えさせられました。
きっと気持ちは同じなのでしょう。
落し物を拾いに、ひとつづつ下の家を見に回るおじいさん。
拾い物を見つけてもなお、下へと進んでいきます。
アルバムを新しい方から順番にめくっていくように、ひとつずつ思い出を振り返りながら家を見ていく姿に、ジワジワと胸にこみ上げてくるものがありました。
ともすれば簡単に崩れてしまいそうなつみきのいえ。
でも土台がしっかりしていれば大丈夫。
それはおじいさんの人生を象徴しているようで、深く感動しました。