絵本ではありませんが・・・。
私のはまってる、あさのあつこさんのファンタジー小説です。
ほとんど挿絵もなく、細かい字が並んでるので、児童書と言えるかどうかわかりませんが、初出は「毎日小学生新聞」に連載されていたようなので、本好きの高学年の子なら、読めると思います。(漢字にルビもふってあります。)
いや〜、おもしろかったです!(かなりシリアスなストーリーなので、おもしろいという表現は、語弊があるかもしれませんが・・・。)
久々に、かなり興奮して、寝る間も惜しんで読み耽ってしまいました。
あんまりおもしろかったので、受験生(=中3)の長男にも薦めまくり、半強制的に読ませてしまった、ダメ母ちゃんです(大汗)。
舞台は、ミヤマ(=深山)にあるウンヌという謎の村。
見たことのないヒト=マノモノを恐れ、厳しい身分制度のもと、夜の闇の中で暮らす、不思議な生き物。最下層に属する少年ハギと母トモは、過酷な労働をしながら、つつましく一生懸命生きていた。
一方、学校でイジメを受け、不登校になった、少年透流(とおる)は、ある日、「ウンヌへ行け」というクスノキの声を聞き・・・???
時空を超えて、出会った二人。
第一部は、そんな障りの部分で終わってしまうのですが、とにかく、始終ハラハラドキドキ。251ページの長い小説があっという間に感じてしまいます。
ファンタジーでありながら、その昔、日本でも本当に存在した「えた・ひにん」などの部落差別を思い起こさせ、不本意な身分制度に怒りを覚えます。
目を覆いたくなるような、かなり残酷なシーンも出てきますが、おそらく、似たりよったりのことを、人間たちも、過去に何度も犯してきたのでしょう。いや、現在だって・・・?!
若い読者たちが、そういった差別に疑問を持ち、皆が幸せに暮らせる社会を築きあげていこうとする、強い気持ちを持ってくれれば・・・と願わずにいられません。
ああ、早く、続きが知りたい。