私の目に飛び込んで来たのは、表紙の絵。
それはブリューゲルの描いた「バベルの塔」を彷彿とさせるような…
かぼちゃの絵。
こよみというだけあって1月〜12月をそれぞれ谷川さんの詩とデフォルメされた巨大なかぼちゃとそこで息づく人々の絵で構成されています。
谷川さんの詩はある月は哀愁を帯び、時には静的時には動的であり、またシニカルであったり、月によって全く印象が違います。
そこにあるのはなつかしい昭和の香り。
季節感にあふれた絵はどのページも躍動的で、そこから人々が飛び出して来そうで、息づかいやら歓声・喧騒などが聞こえる気がします。
なぜかぼちゃ?と思ったけれど、何度も眺めているうちに、あの丸い形と質感が人を包み込むのに最適なのかもと納得してしまう。