読書感想文全国コンクール小学校中学年の部課題図書。
動物好きの子どもたちにお薦めしたい、素敵なお話でした。
夏休み、エリザベスはいつものように、おばあちゃんの農場に出かけます。
今年は一緒に住んでいるコリー犬のエルシーが出産間近。
エリザベスはその準備から出産の場面まで、おばあちゃんの手伝いをします。
エリザベスの視点から書かれているので、読者も自然にエリザベスと一緒に、
命の誕生を体感できますね。
もちろん、子育ての様子もわかります。
個性的な子犬たちはとてもかわいいのですが、
次には引き取り手を捜すということが待っていたのです。
それも、お互い幸せを与えあえる引き取り手にです。
このあたりが何だか嬉しくなってしまいます。
たくさんのオファーの中から、幸せに引き取られていく子犬たちの姿が
心打たれます。
その中で、エリザベスは、やがてまたエルシーとだけの生活となる
おばあちゃんを気遣うようになります。
作者もコリー犬のブリーダー(育て親のようなもの)をしているだけに、
その体験に基づいたストーリーはリアリティがあります。
原題は「A PUPPY IS FOR LOVING」。
「しあわせの子犬たち」という邦訳も素敵ですが、
この原題に込められたニュアンスも味わいたいです。