田舎のネズミ(ティリー)が都会のネズミ(ミリー)をたずねるお話。克明に美しく描き込まれた挿絵には、まったくため息が出ます。部分的に食べ物がメニューのように紹介されるページ(キャベツスープ、クリの塩漬け、木の実入りパイ、プラムのおだんご、たねいりケーキ…)や、牧場で蜂や羊が強調され大きく描かれているところなど、単なるイラストで終わってしまわずに、平面の中に巧みに空間が生み出されています。息子はこの羊の大きな顔が大好き。ドールハウスの描写も華麗。イギリスの女の子は、こんな豪華なおもちゃで遊んでいた(いる)のでしょうね…。文章もイラストにぴったりの上品な表現が多用されています。
ねずみさんたちの生き生きとした生活ぶりに、何か教えてもらうものがありました。