感染免疫・ワクチン・ウィルスを専門に研究する医学博士による
新型インフルエンザの知識を織り込んだ科学ファンタジー物語。
登場人物をドイツの魔女たちにすることで、
インフルエンザのみならず、コレラやペスト、天然痘などの知識も
わかりやすく知ることが出来ます。
初版は2008年11月。
2009年に新型インフルエンザですが、
幸い強毒の鳥インフルエンザではなく、弱毒の豚インフルエンザが猛威をふるっただけに、
とてもリアリティをもって読んでしまいました。
主人公は薬の魔女のローズ。
そそっかしいけど、頑張り屋さんの少女像はとても共感が持てますね。
ローズは病気の魔女たちの恐ろしい計画を阻止しようと、
薬の魔女たちに学び、自ら考えて行動します。
病気の魔女たちの姿で、過去にあった恐ろしい伝染病の歴史も頭に入っていきます。
天然痘のワクチンを開発したジェンナーの功績もぜひ知っておきたいです。
(私は小学生の頃、野口英世とコッホと一緒に収められた伝記を読んでいてよく知っていましたので、嬉しかったです。)
ワクチンやウィルスなどの用語もしっかりイメージできるといいですね。
作者が心を砕いて目指した「知識のワクチン」には共感します。
まずはしっかりと知ることが大切なのですね。
これは、大人も子どもも大事な視点です。
少し長い分量ですが、ハリー・ポッターあたりに興味があるお子さんなら大丈夫でしょう。
スリリングな展開に、一気に読んでしまいました。
もちろん、科学コラムで、最新の情報もしっかりとチェックしてほしいですね。