『苦海浄土』で水俣病を取り上げた石牟礼道子さんの力強い文章と
『原爆の図』で有名な丸木俊・位里夫妻の渾身の絵が
今も進行中の水俣病を描きます。
この土地の言葉で物語は進み、自然と共存した土地柄を象徴する神々や妖怪、生き物たちが登場します。
ということで、子どもたちにはやや理解が難しいかもしれません。
水俣病の苦しみは凄まじいだけに、その惨状もどうでしょうか。
実は私自身、子どもの頃、水俣病だったかどうか定かではありませんが、
たまたま目にしたニュースの映像が公害で苦しむ子どもの姿で、
余りのショックで寝付けなかったという記憶があるからです。
でもやはり、直視すべき現実だとは思います。
大人になってからでも良いので、思い出してほしいですね。
丸木俊・位里夫妻が取り上げた題材が原爆と水俣病、というのは、
少しジャンルが違うようにも思いますが、
無念のうちに苦しんでいった人々の姿、ということでは共通ですね。
それは加害者への批判ではなく、このような人々の苦しみを未来に持ち越さぬよう、
という祈りのようにも感じます。