最近、戦後出版された天野貞祐の『人間の哀しみ』という本を読む機会がありました。
戦争責任は誰にあったものなのか?ということ。
この『ヒットラーのむすめ』は、ヒットラーに娘がいたらという架空の話を子どもたちが話し合うことにより、戦争の責任は誰にあったか?を問うものです。
もし、その時代に生きていたら戦争を止められたのか?第二次世界大戦中ドイツと同盟国であった日本ですので、
この問いは日本にいる大人や子どもにも同様に問われるものであるかもしれません。
作品の中に「見たり聞いたりするのを避けてるうちに事態が進んで、気がつけばもう遅かったのよね」という言葉がありますが、
折しも福島原発の責任はどこにあったのかが論じられている今。
国民を巻き込む大きな出来事があった時に、本当の責任はどこにあったのか?誰にあったのか?
いじめでも同じことかもしれません。周りで見過ごしてしまった人にも責任はなかったのか?ということ。
それは私にも問いかけられている問いです。
児童書ですが、私たちに問いかけるものは限りなく深いと思います。
子どもと共に大人も読んでいただきたい児童書です。