新美南吉の、名作中の名作。
いろいろ出版されていますが、
私は、やっぱり黒井健さんのこの美しい幻想的な絵が大好きです。
てぶくろを買いに、こぎつねを人間の町へ行かせる母さんぎつね。
「にんげんはおそろしいものなのよ」と、いいきかせ。
はじめてみる人間の世界。
「おそろしい」はずの人間からうけた優しさ。
人間の親子のあたたかい光景。
ひどい目にあったことのある母親ぎつねと、
人間にやさしくされた子ぎつね。
どっちが本当の人間なのでしょう。
きつねも人間も、親が子を思う気持ちは同じはずなのに。
人間とどうぶつの共存をかんがえさせられる絵本でもあります。
でも何よりも、あたたかみのある美しい絵が、
この物語をより深みのあるものにしてくれていると思います。
こどものころから、私の大好きな絵本です。
こどもに初めて読んでみましたが、
長いおはなしにも飽きず、何度も何度もよんでくれました。
子供の心にも同じように、この美しい絵とお話が心に残ってくれるといいな。