前作で対峙した青年ヤクーバとライオンは、再び出会うのです。
しかも、大飢饉という究極の中で、
村人の牛を守るため、群れの飢餓を救うため、と
お互い大きな任務を背負って。
でも、以前の信頼は崩れません。
見せかけの格闘が繰り広げられるのです。
ヤクーバとライオンの行動から、力強いメッセージを感じます。
戦時における憎しみの連鎖を断ち切るということについて考えさせられます。
白と黒だけの色彩の中に秘められた、切なさ、ゆるぎない信頼が
ダイレクトに伝わってきました。
特に、青年ヤクーバと同年代には、特に響くメッセージだろうと思いました。
訳者柳田邦男さんのあとがきもぜひ読んでほしいです。