人の生き方について語っているようなお話だと、再話した作者自身が語っています。
空から俯瞰した世界を見渡し、描きこまれた動物たちや人や建物や、自然を眺めながら心の安らいでくる絵本ですが、いろんなことを教えてくれました。
鳥たちが、誰が一番高く飛べるかを競うために空に羽ばたきます。
その鳥たちいろんな生き方を教えてくれました。
元々飛べないダチョウは、飛べないことで劣等感を持っているわけではなく、自分の生き方に誇りを持っていました。
途中で高く飛ぶことを止めた鳥たちは、それぞれに自分の生き方を大切にしました。
その上で、自分の夢をかなえたミソサザイの知恵が輝いていました。
自分ひとりで高くを飛べないミソサザイは、ワシの飛翔の助けを借りたのです。
作者が一番伝えたかったのは、この部分でしょう。
どの鳥も正しいと思いました。
どの鳥も生き方について語ってくれました。
スケールの大きい絵本です。
人は自分ひとりの力だけで夢をかなえることはできません。
時には人の力を借りて生きていくのだと、最後に登場するミソサザイに語らせているのだと思いました。