ロシアのウクライナ侵攻、イスラエルのガザ地区攻撃と周辺国との衝突、生々しい事実が激化し、長期化するに従って、日本の周辺国、台湾、韓国の緊張感が高まってきていることを実感します。
しかもそれが日本と無関係ではないことを意識します。
そんな背景を意識して出されたシリーズですが、昨年出された時より重さを増しているように感じました。
中国と台湾が別の道を歩むことになった経緯には、日本の起こした戦争が深く関与しています。
しかし、台湾が中華民国として存在してからの長い歴史の中で、国としてのアイデンティティが確立されてきています。
中国本土とは共通点はあっても、別の文化を歩んでいます。
武力行使もいとわないという中国の圧力と、威嚇行動が気になります。
この本は、様々な面から台湾を考察しています。
中ほどの「中国の歴史と文化」の項では、中国大陸の歴史遺産や料理が紹介されているので、台湾の独自性から離れてしまっている怖さも感じるのですが、様々な要素を含めて考えたい本です。