老人ホームに迷い込んできて、そこで飼われることになった仔犬のペスの物語です。
セラピー犬として、ペスが老人たちに寄り添い、老人たちが癒やされる空間が、人生の終盤に作られることの意味を感じました。
一方で、同じ法人の保育園で飼われることになった、ペスの子どものサクラについては、幸せと悲しみの両極を感じます。
子どもたちに囲まれて幸せなサクラです。
母と離れた寂しさに、感情移入してはいけないでしょう。
飼い犬に子どもができたときに、避けられぬ宿命なのですから。
この絵本であまり描かれなかった、老人たちと園児たちの交流も気になりました。
世代を超えた交流も高齢者の癒しに違いありませんから。