少子化がとまらない。
国は一生懸命多くの手当を支給し経済的支援に乗り出しているが、
少子化は単に経済的な事情だけではないと思う。
むしろ、子供を育てていくなかで心理的な支援が求められているのではないだろうか。
少子化は日本だけにとどまらない。
韓国でも事情は同じだ。
その韓国で、この絵本『またあえるよ』は「ママたちの育児書」として支持されたという。
書いたのは、1970年生まれのユン・ヨリムさん。(絵はアンニョン・タルさん)
描かれているのは、「分離不安」という感情。
子どもがお母さんの顔が見えないと不安になって泣き出してしまったり、
逆に親が子どものことが心配で目が離せなくなったり。
誰もが子育てをしている時に経験する感情だが、
それでももしかして自分は、あるいは自分の子どもは重症かもしれない。
つい、そんなことを考えてしまったりする。
そんな人たちに、この絵本は「だいじょうぶ。また あえるから」と
やさしく教えてくれる。
「ママたちの育児書」と称賛される所以だ。
それは「分離不安」だけでなく、
育児中に起こるさまざまな不安も少しだけ心をゆるやかにすれば
癒されることが多いことを示唆しているように思う。
そういう心の支援が整ってはじめて、少子化という問題は改善の方向に行くのではないだろうか。