表紙に描かれた木を見て(これは…。)と思いました。
明けても暮れても部活動に励んでいた
私の高校時代の風景の中に
この木はいつもあったのです。
樹齢は100年余りで
お話の中のプラタナスと比べて半分程度のものですが
それでもとても大きく存在感のある木でした。
そんな思いが先行し感慨深い思いで読みました。
さえらにとって 植物園で働いていたわたしは
訪れればいつもそこに居て あたたかい目で見守ってくれ
必要な癒しを与えてくれる存在として描かれているように感じました。
それがわたしを
「大きな木のような人」とたとえた理由なのかもしれません。
また 表紙の見返しに書かれている
「その木は、何も語らない。でも、たくさんの物語を知っている。」
という言葉から
そのプラタナスがそこに居る年月の長さと
そこで繰り広げられた数え切れない物語
(わたしとさえらが関わった時間のような…)を想像させられました。
そして私は
私の思い出の中にある
「プラタナス(鈴懸)の木」にも会いたい気持ちになりました。
そこに行けばあの頃の私に会えそう…そんなふうに思えてきたのです。
私を懐かしい思い出の場所へといざなってくれる絵本。
大切な絵本となりました。
図書館で借りた絵本で感想を書かせていただきましたが
ぜひ購入したいと思います。