60年代に出版されたアメリカの絵本。お金持ちのウィロビーさんのお宅に、山からクリスマス用に切り出されたツリーが運ばれた。実に立派で、表紙の絵から見ると、3階建ての建物にようやく収まる大きさ。そんなものを購入できるウィロビーさんとは、是非ともお近づきになりたい!しかし、さすがに大きすぎて天井に先っぽがつかえてしまう。仕方がないので先を切って捨て、ようやく安心して飾りつけができた。その先っぽは小間使いへ、その先っぽは庭師へ、その先っぽはくまへ、その先っぽは…どういうわけか、もらう人は全員、「先端がつかえる」という…呪いでもかかっているのか、冗談みたいな話。この繰り返しが楽しい。どんどん小さくなるのに、それでも「余る」のよ。全員が同じように、先端を捨てちゃう。元の方を切ろうとした場合もあったけど、結局先端を切る!最後にはネズミの一家に行き、ようやくちょうどよいサイズで落ち着く。
余ったものを誰かにあげようとした人は一人もいなかったけど、結局全員が大満足で、幸せなクリスマスを迎えられるという、なんとも微笑ましい展開。心が豊かに、温かくなる素敵な絵本です。