テレビのシナリオライターとして活躍するさがらあつこさんが文を書き、画家としてはベテランの沼野正子が墨絵タッチで絵を描いた創作民話です。ある男が大きな家に引っ越そうとしたのですが、その家にはおばけが住んでいました。男は一晩そこに泊まることにしたら、おばけたちは引っ越してきてもらっては困るとあの手この手で男を驚かそうとします。しかし、男は驚かず、お化けたちは泣きつきます。最後には、男の家とおばけの家を交換することで話はまとまるのですが、お化けたちのしぐさ・表情がとても豊かで、読んでいても恐いとは思いません。かえって、かわいそうなぐらいです。なかなかおもしろい作品です。