ある朝、目を覚ますとでかいムシになっていた男の子、グレゴリーのお話。
なぜか、家族の誰も気付きません。学校のみんなも先生も気付きません。
唯一、気付いてくれたのが親友のマイケルでした。
突然ムシになってしまったことに驚き戸惑いつつも、ムシの体でなければ
出来ないようなこと(触角をつかってボールを投げたり、手足を使ってかけ算の計算をしたり)
をする姿には、思わず笑ってしまいました。
でも、本当の自分に気付いてもらえないなんて、すごく辛いことですよね。
グレゴリーがムシになったことに全く気付かない家族。
つまりそれは、忙しさにかまけて子どものことをしっかり見ていない
親に対する皮肉が含まれているように感じました。
結局グレゴリーの家族は、夕飯になっても部屋から出てこないグレゴリーの
様子を不審に思い、ようやく本当のグレゴリーの姿を見ることが出来るのです。
本当に、子どものことを見ていますか?本当に子どもの気持ちをわかっていますか?
そういう隠れたメッセージを投げかけられているようで、後半は少し
考えさせられました。
きっと、親友のマイケルだけは、しっかりグレゴリーと向き合っていたから
本当の姿が見えたんでしょうね。
子どもとしっかり向き合っていこう!そう思える一冊です。