じっとこちらを見つめている表情が、まるで人間のような白いくまの子。
この表紙にまずひきつけられます。
しろくまの子ピナークが、母を待つ間じっとしていられず、ちょっとした冒険に出るお話です。
見渡す限りの白い世界で出会う生き物たちはみな優しく、寒いはずの場所ですが、どても温かさを感じます。
お話も素敵なのですが、絵がまたそれ以上に素晴らしく美しいです。
白い氷の世界に、透き通るような青い空。
心が洗われるようです。
広大な北極大陸を感じさせる構図の取り方にもため息が出るほど。
後半は文字の色まで工夫され、絵の一部となっているかのようです。
実際地球の温暖化で、北極はその広さを失ってきています。
ここに住む生き物たちのように、誰の子どもでも大切に思う気持ちがあれば、この地球はいつまでもこの美しさを保つことができるのかもしれないと思いました。