「もりへさんぽにいきました」
始まりの一文と、森を見る男の子の後姿で、わくわくします。
ライオンが寝ていたので怖いのかと思ったら、男の子のラッパで目を覚まし、さんぽについてくるのです。おでかけのために、くしで髪をとかすライオンが人間の子供のようでかわいらしい。
この調子でいろんな動物が男の子についてきて、行列で森の奥へ歩いていきます。誰かの残したピクニックのあとで、食事をして、はんかちおとしをして、いろいろ遊んで、かくれんぼをしていたら、お父さんが迎えに来ました。動物たちはもういません。
夢だったのか、お父さんを見て動物たちが帰ったのか、分からないところがいいのです。
子供の頃、この本の面白さが分かりませんでしたが、今日読み返してみると、動物の表情に優しさといとしさを感じました。