ひがしちからさんは、「ぼくのかえりみち」「ぼくのひこうき」がとても良かったので、読んでみました。
物語は、
きょうは ゆきちゃんの 5さいの たんじょうびです。
「みんな わたしが 5さいに なったの しってるかな?」
という書き出しで始まります。
ゆきちゃんが、
「わたしは いま なんさい でしょうか?」
って先生達に質問するのですが、その答えが笑えます。
みちこ先生の答えは、おやさい、はくさい、ちんげんさい。
かおり先生の答えは、あじさい、ちいさい、ぼんさい。
園長先生に至っては、サイ、めんどくさい、おならくさい。
このだじゃれって、昔懐かしいものなのですが、ゆきちゃんは、自分が5さいになってお祝いして欲しかったのに、泣き出してしまいます。
確かに、このしつこい展開だと、泣き出してしまうというのは容易に想像できてしまうもの。
一寸どうかな?という思いはあるものの、それを補って余りある面白さだと思いました。
そう、みんな5さいになったのは知っていて、先生たちは「ごめんなさい」するのですから、帳消しにしても良いかなって気がします。
泣いた後のエンディングが、とても良くってひがしワールド全開というところでしょうか。
ゆきちゃんの顔だけが、変化した絵も実に楽しいもの。
まるで幼稚園を覗いているような感覚にまで陥ってしまう、ひがしさんの力量には、本当に脱帽です。
みんなが生き生きとしている世界に、見るだけで惹きこまれてしまいます。
子供目線の描写は、共感すること間違いなしで、他の作品とあわせてオススメします。