もしかしたら、万人受けはしないかもしれません。
でも、私が評価を高くしたのは、うちの子に読んだとき、すごく真剣にじっくり聞いてくれたからです。
「戦争って、どんなものだかわからない」「戦争のために国を追われた移民」たちがどんなものなのか、どんな苦しい生活を強いられたかなんて、実は本人たちにしか分からないことではあると思いますが、
少なくともうちの子は、この絵本から、ユリ・シュルヴィッツが描いた世界を感じ取っていたような気がしました。
「おとうさんの地図」というわりに、お父さん自体は、最初に地図を買ってきたとき以外、「ぼく」の物語の中で何をしたわけでもありませんでしたが、「ぼく」はこの地図によって、空想の翼を得た訳です。
文章も多すぎないし、重々しい「戦争」の話より、こういう絵本の方が、かえって子どもたちに伝わるものがあるような気がします。
お薦めは小学校の4年生くらいから、中学生くらいかな。