戦禍を命からがら脱出して、
やってきた地方での両親とぼくの暮らしが描かれています。
淡々と描かれていますが、何もない不自由な生活の辛さがうかがわれます。
食べるのがやっとの暮らしの中で、お父さんがパンを買わずに手に入れたのは大きな世界地図でした。
素晴らしく大きな地図ですが、食料品が大切な時、地図は安く手にはいったのでしょうか。
いずれにしても、このお父さんの買い物で、僕は自由気ままに
世界中に心の旅をして、思う存分空想にひたることができるようになりました。
地図の世界を旅する生き生きとしたページがとても楽しいです。