おんどりとぶたがそろった時、オオカミは「どんなにおいしいスープになるだろう」と心の中で喜んだことでしょう。ところが思いがけず、つぎつぎと「邪魔者」が現れてしまいます。
オオカミの目つきや動物たちの表情がおもしろいです。和気あいあいとしながら緊張感があります。
できあがった石のスープを、動物たちが3度もおかわりします。これだけ野菜を入れたらおいしいスープになったでしょうね。ワインをあけているのもフランスらしいなと思いました。
「オオカミはきっとこの村にはもどってこないでしょう」という終わり方に余韻が残りました。オオカミの後ろ姿に「あてがはずれた」という無念さが感じられました。オオカミは今までどれだけだましてきたのでしょう、次の村ではうまくいくのでしょうか、、、オオカミのふくろの中には石だけでなくナイフもはいっていました。ブラックユーモアがじわじわときいてくる絵本です。
このごろいろいろな詐欺事件がおこっていますが、それをさけるためのヒントになりそうなお話だな、と思いました