全体を通して秋の山の色。優しい赤色が、ストーリーに色を添えます。
ネズミのチッチが、草むらで赤い車のおもちゃを拾います。
とってもかっこよくって、おうちに持って帰りました。
次の日、友達のトービーが何だかガサゴソ……ガサゴソ……
「ねぇ、チッチ。赤い車のおもちゃを知らない?」
思わずチッチは「知らない」と答えてしまいました。
その日から、チッチの胸はとげが刺さったみたいに、チクチク痛みます。
どうやったら、このとげは抜けるんだろう……
ストーリーは分かりやすく、チッチの胸の痛みが、優しい秋色のイラストと共に読者にもじんわりと広がります。
栗や紅葉など、秋の山の物がたくさん描かれていて、当然それらはネズミサイズ。
大きくて丁寧に描かれていて、落ち葉のカサコソって音も聞こえてきそう。
自分もネズミになったような感覚になります。
最後に思いを伝えられたチッチのうれしさと、二匹のかわいらしい友情にほんわかします。