動物たちがいろいろな技を披露するサーカスのようすが描かれているのですが、想像以上に楽しめました。
サーカスの団員である動物たちの表情がいいです。プロ意識があらわれた威厳のある顔つきだったり、すごい技を披露するのに、意外にやんわりした表情だったり。それぞれに味があって、ひきつけられました。
「はくしゅをおねがいします」の後には、親子でいっしょに拍手をしました。読みながら、サーカスをみている観衆の一人になってドキドキしたり、喜んだりすることができる臨場感あふれる展開に、感動しました。
最初から最後まで読者の気持ちをつかんで離さない、それでいてほのぼのとあたたかみのあるお話に、作者の才能を感じる一冊です。
(事務局注:このレビューは、「どうぶつサーカス はじまるよ」こどものとも年中向き 2006年5月号(福音館書店)に寄せられたものです。)