きつねを追い払うためにたいほうをうった王さまたち。きつねはそれよりも大きいたいほうを用意してきました。さらなる大きなたいほうを用意する王さまたち。この繰り返しで、人間ときつねのたいほう比べが始まります。かたちが大きくなり、さまざまな形で競いあう両者。子どもは、「おお〜!」とか言って、かなり楽しそう。でも、最後まで読むとおとなしくなりました。
戦争反対だとか、兵器を持ち込むなつくるな!といったメッセージはどこにも書かれていません。でも、たくさんの兵器をつくったあとに残るのは、どんな気持ちなのか。それは、小さな子どもでもわかる内容になっています。人間のばかげた考えがうむ後悔。それを、この絵本で子どもが知ったのは、とてもよい機会だったと思います。
(事務局注:このレビューは、「もっとおおきな たいほうを」こどものとも年中向き 2003年11月号(福音館書店)に寄せられたものです。)