タイトルからして、ちょっと物騒な雰囲気がしますよね。でも中身は少し違いました。
先祖代々伝わる大砲がお気に入りの王様。その大砲を撃ちたいけれど、戦争がないので打てません。そんなとき、王様の大好物の川の魚を捕っているキツネがいると聞き、王様は早速、大砲を撃ちに出かけました。
王様が大砲を打つと、驚いて逃げていったキツネ。大満足の王様でしたが、なんと、次にキツネが持ってきたのは、王様の大砲よりも、もっと大きな大砲だったのです。
悔しい王様は、もっと大きな大砲を作ります。キツネも、もっと大きな大砲を・・・。その後も滑稽としかいえない、王様とキツネの争いは続きます。
そしてしまいには、その争いの馬鹿らしさに王様は気づくのです。武力を競い合ったって何も生まれない。大人は深く考えさせられますね。
だけど決して堅苦しい話ではなく、無意味な争いをするなというメッセージがコミカルに描かれているので、子供でも無理なく読めます。4歳の息子もすごく気に入ったみたいで「この絵本買ってほしいな」と言ってきました。(読んだのは図書館で借りたものだったので)
ちなみに私は裏表紙が気に入ってます。あんなに意地張って競い合っていた王様とキツネが、半分に割った“大砲風呂”に一緒につかっているのですから。平和が一番、ですね。