カズノ・コハラさんは、大学卒業後イギリスに渡りアングリア・ラスキン大学の美術学部で版画を学んでいます。
初めての絵本である「おばけやしきに おひっこし」で、2008年度ニューヨークタイムズ・ベストイラスト賞に選ばれていますが、その手法は日本人離れしているものだと思います。
今回の作品は、第二弾でしょうか。
ジャック・フロストとは、イングランドに伝わる、冬の間にしかあらわれない霜の妖精のこと。
名前の意味は霜男。
主人公のコリンと犬のサミィが、住むのは森の中。
冬ごもりの真っ最中なので、絵も暗い色合いです。
それが、ジャック・フロストと外で出会うと、綺麗な青を基調とした明るい色合いの絵になります。
冬の間の楽しい遊びが生き生きと描かれているのですが、版画と青という色の相性が抜群に素敵です。
青と言っても、グラデーションがかかっているので見とれてしまう程です。
ストーリーも、エンディングまで中々良く出来ていて、余韻も心地良いもの。
カズノ・コハラさんの今後の活躍を期待させる素晴らしい作品だと思います。
冬の読み聞かせに是非加えて欲しい一冊です。