ブタヤマさんのトボケた感じを生かした、
お笑いコントのようなストーリーです。
とても巨大な生きものが真後ろに近づいています、
でもブタヤマさんたら、どれも気づかないの…
ブタヤマさんたら ブタヤマさん
うしろをみてよ ブタヤマさん
唄うように繰り返す文章も、のどかです。
しかし、その背後に迫る生きものといったら
描き方といい、「ヌル」「ギョロ」といった擬音といい、
妙にリアルなSF世界。
ブタヤマさんだけは相変わらずの
ぷっくりフォルム、トボケた調子、
チョウを追っています。
ブタヤマさんの絵本だ〜♪と思って気楽に開いたら、
その風景に背筋がゾワゾワする。
指さして子どもが騒ぎます。
「しっぽ、食べられてるよ!」
そうだね、そう見えるね・・・
大丈夫か、ブタヤマさん。怖いです。
さんざん呼びかけたから
二度は振り向いてくれるブタヤマさん。
でもお約束のように、そこには恐怖の巨大生物はいないのです。
読者だけが怖いじゃないか。
「ブキャ!」とブタヤマさんもひっくり返る、
「キャベツくん」風バージョンもどうせなら見たい気もします。