「ブタヤマさんたらブタヤマさん うしろをみてよ ブタヤマさん」
読み終わる頃には、このフレーズが頭にしみこんでしまいました。
長さんの絵本は、自然とくりかえしてしまう、しみこんでしまう言葉に
よくであいます。
ブタヤマさんの後ろにつぎつぎあらわれる大きな生きもの。でも、ブタヤマさんは気づきません。食べられそうなくらいに近づいているのに、気づきません。
ヒヤヒヤしながら読んでいましたが、だんだん、ブタヤマさんがうらやましくなりました。用心深くて、すぐ後ろをふりかえってしまう自分。
なにもいなくても、なにか見つけようとしまう。なかなか、前にすすめません。
ですが、ブタヤマさんは、絶妙に間をはずしてふりむきます。なので、そこにおそろしいものはいません。きっと、おそろしいものに焦点をあわしてないんでしょう。自分のすきなものに焦点をあわして、前にすすむブタヤマさん。
なんだか、うらやましいです。