いとうひろしさんのお作なのですが、あれ、ちょっぴりかんじが違うかな?
著者紹介を見てみると、「絵本の出版は本書がはじめて」とありました。なるほど。初期の作品なわけですね。
でも、読み進めていくと、やっぱりいとうひろしさんの文章、いとうひろしさんの絵なのです。
とびきりたのしい おはなしがきける じょうずなみみのすませかたを おしえてあげるね。
はじめから、「お?」と期待を持たせる絵本です。
公園でかくれんぼをしていて、つつじのしげみに隠れた僕。
そこでじいっとしていたら、そばの石が話しかけてきたんです。
その石は、長い川をくだり、カエルの決闘場や、かめの集会場になったりして、退屈しない旅をしてきたって!
その石だけじゃない、他の石や、木、滑り台だって、おしゃべりをはじめるのです。
とても楽しい絵本です。
ただ、これは幼い子ではなく、想像の力がしっかりと身についた、
小学生ぐらいの子の方が楽しめそうな気がします。
この絵本を読んだ後は、ぜひ想像力をとぎすませて、そっと耳をすませてみてください。
あなたにも、みんなのおしゃべりが聞こえてくるかもしれません。