図書館で目にして手に取りました。
涙があふれてどうしようもありませんでした。
米国南北戦争中に出会った2人の北軍兵士。字を覚え本を読み、リンカーンの理想に共鳴する元奴隷、黒人少年ビンク。「リンカーンと握手した手」を持つことが唯一の誇りの、貧しく無学な白人少年セイ。負傷したセイをビンクが見つけ、母の隠れ潜む家に連れて行きます。愛情深い母モーモーベイに匿われ、2人は束の間穏やかな暮らしを送ります。けれど南軍の兵士たちがやって来て、彼らは見つかってしまうのです。
収容所で引き離される時、ビンクは言います。「もう一度その手に触れさせてくれ、セイ。リンカーンと握手したその手に。」
セイは生き延びます。北軍が勝利し、収容所から解放されました。けれどビンクは解放されることはありませんでした。セイと引き離されて数時間後には、既に殺されていたのです。
セイは大人になり、結婚し子供をもうけます。そして彼は語るのです。自分を救ってくれたビンクのことを。なぜなら、ビンクには、語り継いでくれる子孫も、誰も、いないから。
このような内容の絵本もあるのですね。
「ほたる」(太平洋戦争末期の特攻隊員の話)などもそうですが、ある程度大きくなった子供に、是非読んで、知り、そして感じてほしいと思います。
心が震え、痛みを残す本でしたが、読んで良かったです。
私の子供にも、いつか読んで欲しいと思います。