差別や偏見は良くないことだと頭ではわかっているのに、それらが自分の心の底でときどき見え隠れするのに気づくことがあります。そういうときは、私の場合は、まずはその事実を自分で認めることから始めなければなりません。
アフリカ系アメリカ人のオバマ氏が大統領になったとはいえ、アメリカ社会で人種に対する偏見がなくなったとはいえません。
人種差別が残る環境の中でも、まったく互いに差別や偏見などという感情をいだくことなく、黒い肌のジェミーと白い肌のキャスは、走るという共通の趣味を通じ、心を通わせ友情を育んでいきます。
実は、環境さえ整えば、子どもたちの方が心が柔軟で、ジェミーとキャスのように、差別や偏見なく人とつきあっていく素地をもっているように思えます。
その環境を整えるのは、大人の役割です。
私たちは、子どもたちから学ぶべきことが、まだまだたくさんあるということを改めて考えさせられた本でした。