まるでヨーロッパの古い絵本のようなやさしくて美しい絵にひかれました。え、日本の作家、でおどろき、さらに初版が平成15年と新しいので更に驚きました。とっても味わいのある絵本なのです。
ストーリーのかわいらしさはもちろん、ロンパーちゃんの動きを描いた絵の一つ一つが2、3歳の女の子そのものなのです。表情、動作がまるで本物みたいなのです。そして練りに練られた文章。がっちり私のツボにはまってしまいました。
木に引っかかったままの風船を「お月さまみたいよ」と終わるのも素敵です。余韻に浸る母をよそに娘は白い紙と色鉛筆を引っ張りだして来て、次の日ハシゴをつたって風船をとったロンパーちゃんとお母さんの絵を描きました。「この終わり方、素敵だね」といつ言ってくれる日を母は楽しみに待っています。