ロンパーちゃんは、町で黄色い風船をもらうんですね。飛んでいってしまわないように、指にくくってもらって、おうちに帰るんです。でも、風船は、すぐに天井までのぼっていってしまい、ロンパーちゃんの手の届かないところに行ってしまう。
そこで、お母さんは、ちょっと工夫して、風船のひもに、スプーンを結んでくれるんです。
浮いていながら飛んでいかない、微妙な高さになるように。
ちょうど、ロンパーちゃんの頭より少し高いくらい。
ロンパーちゃんは、その風船に、花をつんで見せ、自分と同じきれいなかんむりを作ってあげ、一緒にままごとをする。
小さい子って、何でも、誰でも、お友達にする名人ですよね。
作者の酒井駒子さんは、『よるくま』や『ぼく おかあさんのこと』『きつねのかみさま』などを書いた人です。
不思議な魅力的な絵でロンパーちゃんの表情がとてもいいんですね。
子供のかわいらしさ、純粋さ、子供の心って素敵だな、と思う1冊です。