お店屋さんでいただいた黄色の風船。空に飛んでいってしまわないように、ロンパーちゃんは指にくくってもらいました。風船をもらって嬉しいロンパーちゃん。家ではお母さんがスプーンにくくってくれました。おままごとをして風船と遊んでいると、突然風が吹いて、あっ!風船が木にひっかかってしまいました……。
紅梅色をバックにロンパーちゃんが黄色の風船を持っている表紙。初めて見た印象は、昭和40年代初版の復刻絵本かと思ったほど、懐かしさを伝えるものでした。
色使いが少ない分、風船の黄色が映え、作者の確かなデッサン力が感じられます。登場人物のしぐさは、一見岩崎ちひろ風。これを見てわたしの母は感動していました。
帯には「新世紀、注目の画家が描く」とあり、まさにわたしも同感、その通りだと思います。「よるくま」シリーズの作者でもあったのですね。もう絶対全部揃えようと思いました。
娘は大好きな風船が登場するとあって、自分自身をロンパーちゃんに重ね合わせていました。母親なら、ぎゅっと抱きしめたくなるような絵本です。