全体的に沈んだ色調のページが続きます。
物語りも、今までのように働けなくなった鉄のキリンのじいさん〜「ひとさらい」に連れてこられた男の子〜深くて孤独な広い海・・と、読んでいてずっしりと重い気分から始まります。
神様の声に従ったじいさんと、お母さんに会いたい一心の男の子との長い時間は、ついに報われます。
男の子を蒸気船の船長に託したじいさんは、やがて海の中で錆びて動かなくなります・・・やっぱり思い気持ちのまま終わるのかと思いきや、最後は胸が熱くなるお話でした。
怖いと言って本を閉じようとしていた息子でしたが、読み終えると「よかったね」と、ちょっぴり目を赤くしていました。
今でもどこかの海にキリンのじいさんは、すっくと立っているのかなと、海に対するロマンも感じます。